確定申告書の書き方は、会社を退職した場合の確定申告ナビで!

それでは、いよいよ実際に確定申告書に記入をしていきます。

このサイトをご覧のみなさんに多いと思われるモデルケースを設定して、
実際に確定申告書を作成していきます。

モデルケースと同時進行していけば、あなたの確定申告書類も作成できるような
構成になっているので、この際一緒に作成してみてはいかがでしょうか。



<モデルケース>

・東京都港区 在住 確定申告(カクテイシンコク)さん

・2006年8月31日に 株式会社 空想科学 を退職

・2006年8月までの給与 500万円

・源泉徴収税額 30万円

・給与天引きによる社会保険料 50万円

・退職後 国民健康保険に加入 支払額 66,200円

・退職後 国民年金に加入 全額免除が適用されている



では、すでに用意している必要書類と、確定申告書を並べてみましょう。

<必要書類を並べましょう>

① 給与所得の源泉徴収票


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確定申告書類の書き方


国民健康保険料 受領書



生命保険料控除証明書                ④損害保険料控除証明書


ここでの申告には、確定申告書Aを使用します。(■申告書を入手 のページ参照)


確定申告書Aには、第一表と第二表がありましたね。
それぞれ、間違いのないことを確認しましょう

<確定申告書A 第一表>              <確定申告書A 第二表>



<申告書類の作成を開始します!>

ステップ1.

まずは、<確定申告書A 第二表>の左欄の「住所・氏名」項目の下にある

「所得の内訳(源泉徴収税額)」の項目に記入をします。

必要書類①の源泉徴収票収入金額・源泉徴収額を参考にします。


所得の種類…給与
所得の生ずる場所…株式会社 空想科学
収入金額…5,000,000円
源泉徴収税額…300,000円
(実際に記入する項目について、このように枠で囲って説明していきます。)

すると、このように記入されます。



他にも収入がある場合は、同様に2段目・3段目に追加してください。



ステップ2.

次に、<確定申告書A 第一表>に移ります。

<確定申告書A 第一表>の左欄に、「収入金額等」「所得金額」の項目があります。

そこに、以下のように記入します。

収入金額等 給与…5,000,000円
所得金額 給与…3,460,000円


収入金額等は、源泉徴収票の金額そのままなのですが、
所得金額 給与の3,460,000円は、どこから出てきたのでしょうか?

実は、会社員の場合、給与所得控除額という控除が認められているのです。

このケースでは1,540,000円が給与所得控除額に認められています。
ですので、5,000,000円から1,540,000円をマイナスした3,460,000円
という金額が所得金額に記入されたというわけなのです。

ではあなたの場合はどうなるのでしょうか?

ここでは、いきなり給与所得額を算出できる方法をご紹介しますので、
下記の表を参考に計算をしてみてください。

給与等の収入金額
給与所得額
~650,999円
0円
651,000円~1,618,999円
給与等の収入金額-650,000円
1,619,000円~1,619,999円
969,000円
1,620,000円~1,621,999円
970,000円
1,622,000円~1,623,999円
972,000円
1,624,000円~1,627,999円
974,000円
1,628,000円~1,799,999円
給与等の収入金額÷4×2.4 円
1,800,000円~3,599,999円
給与等の収入金額÷4×2.8-180,000 円
3,600,000円~6,599,999円
給与等の収入金額÷4×3.2-540,000 円
6,600,000円~9,999,999円
給与等の収入金額×0.9-1,200,000 円
10,000,000円~
給与等の収入金額×0.95-1,700,000 円
 *青枠の計算時…÷4をした後に、千円未満の端数を切り捨てます

 例えば収入金額が、3,204,560円の場合…
 1,800,000円~3,599,999円の項目を見ればよいので、
 3,204,560円÷4=801,140⇒千円未満切捨てで801,000円
 801,000円×2.8-180,000円=2,062,800円

 以上の計算により、給与所得金額は、2,062,800円になります。


先ほどのケースに戻り、<確定申告書A 第一表>に記入するとこうなります。



ステップ3.

さて再び、<確定申告書A 第二表>にもどります。

右欄の「所得から差し引かれる金額に関する事項」「⑥社会保険料控除」
の項目に記入をしていきます。

必要書類①の源泉徴収票を参考に、社会保険料等の金額を記入します。

社会保険料等の金額…500,000円


さらに、退職後は国民健康保険を自分で支払ってきたので、
必要書類②の国民健康保険料 受領書を参考に、国民健康保険料を記入します。

ここでは一月分の受領書しか提示していませんが、9~12月分の4ヶ月分あるとして、
16,550円×4ヶ月=66,200円とします。(実際には、受領書は全てそろえる必要があります)

国民健康保険料等…66,200円


この二つの項目を記入すると、以下のとおりになります。



ステップ5.

そろそろ、疲れてきましたか? でもあと少しですのでがんばりましょう!

ここまできたら、<確定申告書A 第一表>に移ります。

ステップ2.で、「収入金額等」と「所得金額」に記入をしましたが、
ここでは、その下「所得から差し引かれる金額」の項目に記入をしていきます。

ひとつづつ、項目を確認しながら記入しましょう。

社会保険料控除…566,200円(ステップ3で記入した合計金額です)
生命保険料控除…41,263円(金額の根拠はこちらで)
損害保険料控除…3,000円(金額の根拠はこちらで)
基礎控除…380,000円(全員一律、この金額を記入してください)


以下のように、記入されました。



ステップ4.

ステップ3.で 「⑥社会保険料控除」の項目に金額を入れたら、
その下の、「⑧生命保険料控除」と、その右の「⑨損害保険料控除」
の項目に金額を記入します。

必要書類③と④:生命保険料控除証明書と損害保険料控除証明書
を参考に、金額を記入します。

ここでは、一年間に支払った保険料の合計を記入します。

生命保険料控除(一般)…65,050円
損害保険料控除(短期)…10,560円(*)

と記入します。
保険にいくつも加入している場合は、それらの合計額を記入します。

生命保険…一般と個人年金
損害保険…長期と短期
に分かれていますが、その分類はそれぞれの保険料控除証明書に記載してあります。

*損害保険料控除証明書には、保険料880円とありますが、
 この金額は月額ですので、×12=10,560円となります


実際に記入すると、以下のようになります。



左側に並んでいる項目を簡単に説明します。(○数字番号に対応しています)

小規模企業共済等掛金控除
…共済契約の掛金や、確定拠出年金(個人型)の掛金、及び心身障害者扶養共済の掛金を支払った場合に受けられる所得控除です。

寡婦、寡夫控除
…所得税法上の寡婦、または寡夫に当てはまる場合に受けられる所得控除です。

勤労学生、障害者控除
…所得税法上の勤労学生、障害者に当てはまる場合に受けられる所得控除です。

配偶者控除
…所得税法上の控除対象配偶者がいる場合に受けられる所得控除です。(⇒詳細

配偶者特別控除
…生計を一にする配偶者がいる場合に、配偶者控除の適用がないときでも、配偶者の所得金額に応じて受けられる所得控除です。(⇒詳細

扶養控除
…所得税法上の扶養親族がいる場合に受けられる所得控除です。

雑損控除
…災害又は、盗難若しくは横領によって、資産について損害を受けた場合に受けられる所得控除です。

医療費控除
…自分自身や家族のために一定金額以上の医療費を支払った場合に受けられる所得控除です。(⇒詳細)

寄付金控除
…国や地方公共団体、特定公益増進法人などに対し、「特定寄附金」を支出した場合に受けられる所得控除です。



ステップ6.

いよいよ、最後のステップです。

ここでは、今まで記入してきた数字を計算して、税額を算出していきます。
記入をするのは、<確定申告書A 第一表>の右欄「税金の計算」の項目です。

○数字番号の指示に従って、足し算・引き算をすれば申告納税額が算出されます。

簡単ですので、順番に見ていきましょう!

まずは、「課税される所得金額」の項目に記入します。

ステップ2.で算出をした、所得金額(3,460,000円)から、
ステップ5.で算出をした、所得から差し引かれる金額(990,463円)をマイナスします。

3,460,000円マイナス990,463円ですので、2,469,537円。
千円未満は切り捨てですので、

課税される所得金額…2,469,000円

と記入することができます。

そして、そのすぐ下の欄に「税額」を記入します。

課税される所得金額(2,469,000円)に対する税率は、10%ですので、
2,469,000円×10%=246,900円になります。

上の21に対する税額…246,900円


さて、このケースの税率10%と言いましたが、税率は以下のとおりです。
あなたの課税される所得金額に該当する税率を確認してください。


課税される所得金額(千円未満切捨て)
 税 率 
 控 除 額
195万円以下
5%
0
330万円以下
10%
97,500円
330万円超 695万円以下
20%
427,500円
695万円超 900万円以下
23%
636,000円
900万円超1800万円以下
33%
1,536,000円
1800万円超
40%
2,796,000円

*控除額とは、税率をかけた後の金額(つまり税額)から差し引ける金額です。
例えば、課税される所得金額が、1200万円だったとすると、
1200万円×33%-153万6千円=242万4千円が税額となります。



この時点で、申告書は以下のようにになっているはずです。

○数字の指示に従って、「28 再差引所得税額」まで、記入してください。

この時、配当控除・住宅借入金等特別控除・政党等寄付金特別控除・
災害減免額 外国税額控除がある方は、差し引いた金額を記入していきます。
(住宅借入金特別控除の詳細は⇒こちら




「再差引所得税額」まで、記入が終わりましたね。
すると、そのすぐ下の欄に、「29 定率減税額」というものがあります。

しかし平成19年から定率減税が廃止されますので、ここでの減税はありません。

(余談ですが、平成11年~17年までは20% 平成18年は10%の減税がありました)


では次に、「定率減税額」の一つ下「源泉徴収税額」の項目に記入します。

ここでもういちど、給与所得の源泉徴収票の中の、源泉徴収額を確認しましょう。

既に、300,000円が源泉徴収されていることが分かります。

ですので、「源泉徴収税額」の項目にその金額を記入します。

源泉徴収税額…300,000円


ではようやく最後の計算です。
長い道のりでしたが、全てはこの最後の計算の為だったのです。

「再差引所得税額」-「定率減税額」-「源泉徴収額」の式に従い、
「申告納税額」を求めます。

では、計算をします。

149,400円-300,000円=▲150,600円となります。

▲がつくということは、それだけ多く納税をしてしまっているということです。
つまり、この計算で算出された金額が還付される(戻ってくる)ということなのです。


さて、その金額を「申告納税額」「還付される税金」の項目に記入します。

すでに△は左側にプリントされているので、金額のみ記入します。

還付される税金…150,600円

申告書は以下のようになります。



<確定申告書完成です!>

これで申告書類は完成しました。

お疲れ様でした。

実際に書類を作成してみると、収入に対し、
どの部分に、どれだけ税金がかかっているのか…
また、控除がどのように効果を生んでいるのか…
がよく、分かったことと思います。

一般的に、確定申告の必要がない会社員は、自営業者などに比べ
納税意識が希薄であるといわれています。

今回、会社を辞めたことで確定申告をすることになり、
慣れない申告書の作成や、所得の計算は少し大変だったかも知れません。

しかしながら、「自分も納税をしているのだ!」という事実を
改めて実感できたのではないでしょうか?


再び、会社員としての就職が決まった方、また就職を予定している方にとって、
確定申告をする機会は当分なくなるかもしれません。

でも、今回感じることができた納税意識を、是非忘れないようにしてくださいね。


さて、あとは添付書類と一緒にこの申告書を、税務署に提出するだけです。


提出をする前には、

・申告書上部の「住所」「氏名」の記入と捺印

・申告書第一表 右欄の「還付される税金の受け取り場所」欄への、
 還付金受け取り口座の記入

も忘れないように、再度チェックしてください。



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